農業政策

2015年1月 5日 (月)

パイプハウスが壊れた時の補償が拡充されます。

晴れ

 

昨日、キュウリネットが風によってなぎ倒されたことを書きました。

その時思ったことは、これがパイプハウス(ビニールハウス)だともっと大変だろうということです。

幸いにも、ここ5,6年、当地に台風は直撃していないので、実感は少ないのですが、

台風でビニールハウスが壊れることはありうることです。

その時、保険で損害をカバーできないのが現状です。

普通の家であれば、火災保険で対応できるのですが、ビニールハウスはその圏外にあります。

 

その保険が農業では、「園芸施設共済」です。

去年の12月17日付けの「農業共済新聞」に、園芸施設共済の補償拡大の記事が載っていました。

 

201501054

 

この「農業共済新聞」は色んなしがらみもあって、なぜか、読むことになってしまった新聞です。

この記事は気になって切り抜いていました。

(この新聞は意外に面白いことがたくさん載っています。)

 

201501052
  

通常の火災保険は、現在、再建築価額の補償になっていますが、

ビニールハウスでも、やっとその仕組みが取り入れられるようです。

農家の自己負担ですが、撤去費用も共済(保険)の対象になるようです。

かなり助かります。

 

パイプハウスの耐用年数は5年だったようです。

それが2倍の10年に延長されるそうです。

私のパイプハウスは10年を超えましたが、まだ錆びは出ていません。

どぶ漬け塗装なので、パイプはさびにくいです。

キュウリ用の支柱なんかはもう17年くらいなりますが、まだ十分に使えます。

今までが、過小評価され過ぎていたのでしょう。

 

この共済は国からの資金も入っていますので、

できるだけ保険金額が高くならないようにしていたのかもしれません。

これからは普通の保険に近づいていくかもしれません。

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2010年3月 2日 (火)

米に関する民主党の農業政策について

雨のち曇り 時々晴れ

  

2月に入ってから、私たち一般農家にも、民主党の米についての農業政策がやや詳しく説明されています。

説明を受けていない一般の方々は、多分、新聞やテレビでしか情報はないかもしれません。

この政策が良いのかどうかの判断は色々あると思いますが、

私が知った範囲で書いてみたいと思います。

 

米に関連する事業は2つあるようです。

(1)米戸別所得保障モデル事業

(2)水田利活用自給率向上事業

  

(1)米戸別所得保障モデル事業について

  米の需給調整は米への支援で確保することを目的としています。

 全国一律に、10a当たり1万5千円の定額を支払い、

 販売価格が下回った時には、変動部分として、さらに支払うというものです。

  

 ただし、条件があって、減反を守っていて、水稲共済に加入していることです。

 対象面積は、作付け面積から、10aを控除するとのこと。

  

 「1万5千円」の根拠は次のようです。

 生産費(約12万1千円)-販売価格(約10万6千円)=約1万5千円

  ただし、生産費:経営費+(家族労働費×0.8)

       販売価格:流通経費等を除く

 

 この生産費は全国平均だそうです。

 生産費は、0.5ha以下の小規模の耕作の場合には、2,3割高くなり、

 逆に、大規模な耕作面積の場合には2,3割安くなるそうです。

 大規模農家ほど、現状でも、黒字だそうです。 

 小規模の場合は、所得保障があっても、経営的には赤字です。

 小規模の場合、ほとんどが兼業農家ですので、ちょっとくらいの赤字でも大丈夫ということを表していると思います。

 

(2)水田利活用自給率向上事業

水田を余すことなく活用して、食料自給率を向上させることを目的としています。 

具体的には、水田を有効活用して、麦、大豆、飼料用米などの生産農家に対して、主食用米並の所得を確保し得る水準を、國からの直接支払いにより実施するそうです。

  

交付金は全国統一単価です。

主なものは、10a当たりで、

①麦・大豆・飼料作物:3万5千円

②新規需要米(米粉用・飼料用・バイオ燃料用米、WCS用稲):8万円

③そば、なたね、加工用米:2万円

  

①と②については、この交付金を加えた収入合計から経営費を引くと、4万1千円くらいになると試算されています。

②の新規需要米の交付金が8万円もするのかと思うかもしれませんが、

理由は、それらの米の販売収入が約2万円5千円以下と非常に安いからです。

  

(1)の米戸別所得保障モデル事業と(2)の水田利活用自給率向上事業はセットで実施されます。

現実的には、理念よりも、実利でみんな動くと思います。

減反(面積割合は、当地では約40%)を実施する人は1万5千円/10aもらえますが、

逆に、減反をしなくても、ペナルティーはなさそうです。

多分、10haとか20haあるいはそれ以上耕作している大規模農家は減反せずに作るかもしれません。

そうなると、供給量が増えて、需要は横ばいか減ると思いますので、

需要と供給の関係から、米の価格は下がるかもしれません。

それとも、大規模農家は新規需要米の方に誘導されるのでしょうか。

もう少しすると、どうなるかわかるかもしれません。

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2009年1月19日 (月)

今年の夏野菜の種類と品種を検討しています。

晴れ (気温はそんなに上がらなかったのですが、久しぶりの晴れでした。)

  

今年作ろうと思う野菜の種類と品種を検討しています。

毎年、年末からこの時期が夏野菜の検討時期です。

  

少し早くないか? とか思われるかもしれません。

まだ、秋冬野菜が畑に植わってる段階なのにとも思われるかもしれません。

何で今ごろかとも思われるかもしれません。

  

それには、いろいろと理由があります。

1つは、4月に植える苗を注文する時期が今頃です。

苗農家では、トマトは2月に入ると、種を蒔きます。

ピーマンやナスはもっと早く、1月末には、種を蒔きます。

私が作ってほしい品種を希望する場合には、どうしても今のこの時期になります。

もう、トマトやキュウリは注文しました。

  

もう1つは、福岡県の減農薬・減化学肥料栽培の認証制度の申請時期が1月末までという理由です。

これまで、夏野菜で申請していた野菜は、トマト、ピーマン、ゴーヤ、オクラの4種類でした。

私の中では、栽培面積が広くて、長期間、収穫するものを選んで申請をしていました。

基本的には、化学肥料はあまり使わないし、農薬もたまにしか使いません。

ですから、どんな野菜でも申請できるのですが、

申請資料を作るのが大変なことや1品目に3000円の申請費用もかかるので、制限しています。

(申請用の様式も、栽培計画なんかはエクセルできっちりと書くことが決められていて、これではパソコンを使えない人はまず不可能です。誰が書くかといえば、結局は普及センターの担当者が書かざるをえません。画一的で、これでは申請を大幅に増やす事は難しいでしょう。逆に、役所側は簡単で、自分たちの都合の良いように変えています。地方分権と言いますが、こんなことでは、地方にも任せられないでしょう。)

来年から、新規で申請する場合、さらに規制がかかって、1品目の栽培面積は5アール以上と決められてしまいました。

私のような少量多品種栽培をするものにとっては、まるで規制をかけて、追い出そうとしているかのような政策変更です。

これでは、少量多品種栽培をして、新規に取り組もうとしているものを排除しようとしていることしか考えられません。

福岡県の農業政策は少しおかしいのでは?と思わざるを得ません。

何のための、そして誰のための認証制度なのでしょう。

そんなこともあって、今年はトマトとピーマンの2品目を申請しようと思っています。

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2009年1月 3日 (土)

「fマーク通信」が届いて思うこと

晴れ (昼は暖かかったのですが、朝晩はかなり寒いです。)

  

今日から、少しだけですが、野菜の収穫を始めました。

レタスと大根を少々ですが。

31日から元旦、2日と休んでいたのですが、

どうも体がなまってしまいそうです。

まだ、正月の3が日だというのに。

農作業が習慣になってきたのかもしれません。

  

今日、fマーク(エフマーク)通信の第8号(2008年12月号)が届きました。

「fマーク」というのは、福岡県の減農薬・減化学肥料栽培認証制度のマークです。

制度を利用している農家にも届けられるようです。

   

200901033 写真に撮ってみました。

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

200901032 こちらは裏面です。

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

  

200901031 裏面の上部に載っていた表を拡大しました。

左にラベルの発行実績、

右にホームページアクセス回数が載っています。

  

  

  

  

これらの数字が多いのか、あるいは少ないのか、人によって判断は分かれるでしょう。

私は、これらの数字を見て、率直に少ないと思いました。

  

私の年間で使う認証ラベルは、中の大きさで、およそ1万枚です。

野菜はわずか35アールくらいの面積です。

4月から11月までの、中サイズの枚数の合計は約78万枚です。

平均してみると、私の規模で、わずか78人くらいしかいないのです。

12ヶ月でみても、100人程度です。

福岡県で野菜やくだものを作って販売している農家の数からみると、非常に少ない人数といえます。

   

右のホームページアクセス回数の月平均は約16000アクセスです。

私のような者が書いているこのブログでさえ、月平均ですると、およそ1万アクセスくらいです。

(春から夏にかけては1万アクセスを超えますが、冬場の今は5000アクセスくらいです。)

このアクセス数は(財)福岡県農業推進機構の全体のアクセス数ですので、

実際のfマーク関連のアクセス数にすると、もっと少ないものと思われます。

   

認証を受けている農家がもっとがんばらなければいけないのか、

あるいは、福岡県がもっと広めないといけないのか、

多分、その両方ががんばらないと一般の消費者まで浸透しないかもしれません。

  

正月そうそうから、自分にとっては少し残念な実績報告を見ました。

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2008年12月16日 (火)

耕作放棄地について

晴れ

  

先日、テレビのコメンテーターが派遣や請負の方たちが契約解除をされていることに関して、こんなことを言っていました。

「日本中にたくさんの耕作放棄地があるのだから、そこで、農作物を作ればいい」と。

テレビを見ていて、無性に腹が立ちました。

  

実際、耕作放棄地というところはどんな場所か?

なぜ、耕作放棄地になったのか?

実際に作って、生活ができるのか?

など、疑問が湧き出てきました。

  

去年のことですが、当地は数年前に合併して、同時に、農業委員会も合併しました。

合併に伴って、農業委員の人数も減ってきて、とても細かい状況までわかりにくくなったようです。

そのため、生産組合長に、現状調査の時に手伝ってくれという話がありました。

(成り手がいないので、生産組合長になってもう3年もしています。)

   

その耕作放棄地の調査の場所と言うのは、基盤整備をしていない農地でした。

基盤整備をしている農地は調査対象外です。

(多分、耕作放棄地はないということです。)

ちなみに、基盤整備された農地とは、きちんと、四角になっていて、農業用水や道路が整備されているところです。

   

基盤整備されていない農地のほとんどは、山の近くにあって、作りにくいところです。

農業用水が不自由、機械が入りにくい、日照りが悪い、イノシシや鹿が出るなどのところです。

当然、作りにくいので、耕作放棄地にもなりやすいところです。

そんなところで、素人が農作物を作って、果たして、良いものができるでしょうか?

  

作った農作物は少しはお金に換えないと生活できません。

昨日、農協のある部会の忘年会で、

私が、「ほうれん草は10年前から、1把100円だった。」と話したら、

別の人は、「いや、15年前から100円だ。」と言われました。

いろんな生産資材が上がっている中で、価格は変わりません。

  

ほうれん草よりもひどいのは、お米の値段です。

20年くらい前は、1俵60kgで2万円程度だったはずです。

今は、1万5千円をきっています。

  

いつも食べるものは下がってきています。

農家の手取りは減ってきています。

  

そんな状況では、田舎から都会に出て働くのは自然なことだろうと思います。

  

それを、田舎に行って、農作物を作れば、簡単に食べていけると言っていたテレビのコメンテーターには愕然としました。

   

こんなことを書くのはあまりないのですが、お許しを。

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2007年9月13日 (木)

今年も米の価格が下がりそうです

晴れ のち わずかに雨

  

私は、生産組合長をしていますが(なり手がないので)、先日、当地区の生産組合長会議がありました。

その席で、福岡県の米の作柄は、8月15日現在、「やや不良」だそうです。

最終的な結果ではないのですが、去年もそうでしたが、今年も平年以下の作柄かもしれません。

   

普通に考えると、作柄が悪いと、収穫量が減りますから、米の価格が上がるだろうと思われます。

しかし、状況は異なり、今年も米の価格が下がるだろうと予想されています。

日本人が米を食べなくなったことが最大の原因ですが、

今年から、コメ価格形成センターのルールが見直しされて、早めに低額でコメを売り抜ける産地が多くなるだろうと予想されています。

   

また、今年から(平成19年産米)、全農の事業方針として、内金は7000円しか支払われなくなるそうです。

もちろん、その後、売上げがたったときには、追加で支払われますが。

(当地の農協は、もう少し上乗せして、10000円~12500円の支払いがあります)

最終的には、おそらく14000円~15000円/60kg玄米にはなると思いますが。

  

内金の7000円は玄米60kg当たりですので、1反(1000㎡)当たりでは、収穫量480kg(8俵)として、56000円になります。

これでは、水稲生産農家の秋の支払いができなくなる恐れがあります。

農家へ米の販売金が入った後に、農家は各種支払いをする慣行があります。

機械代、肥料・農薬代、種・苗代、などなど結構な支払いがありますので、先に手出しをしなければならないだろうと思います。

実は、これらの費用は農協だけでなく、その他の商系の会社も、米の入金があった後に支払うという仕組みがあります。

農機具メーカーに対してもそのような代金支払いの仕組みです。

(私も、野菜を作り始めたとき、ある農機具メーカーの販売店からの請求が遅いので問い合わせたところ、そのような支払い方法(年、2~3回)になっていることにビックリしました。)

当然、内金だけだと、支払いができない状況に陥る可能性があります。

非常にきびしい状況です。

   

先日、ある農家と話していると、農協にだけ供出しているだけだと、4町(4ヘクタール)ではきびしく、10町歩くらい作らないと、採算に合わないと言われていました。

そうなると、トラクターは30馬力以上必要で(1馬力10万円とすると、300万円以上。各種のアタッチメントを付けると、さらに高くなります。)、3条刈りのコンバイン(700万円程度)も必要だそうです。

大変な金額がかかってしまいます。

農協への供出だけでなく、自ら販売先の確保も重要な課題になります。

    

米の生産農家にとっては、苦しい状況が続いています。

(野菜も大変ですが)

   

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2007年3月 3日 (土)

平成19年度からの新農業政策について:その2

晴れ

  

前回、国の減反政策に沿った米作りをしていて、かつ、大豆や麦を作っている大規模農家や集団に対してだけに助成金(当地で、大豆の場合、51,000円/10アール)が出ることを書きました。

そして、減反政策に沿っただけの農家には、助成金は数千円しか出ないことも書きました。

  

では、大規模農業に参加しない農家はどうなるでしょうか?

減反に協力してもしなくてもあまり関係ないと考える方も多数居られます。

そういう方は、減反しないかもしれません。

     

耕作面積が増えると、米は多量に市場に出てしまい、米の価格は下落します。

市場に出るという意味は、流通業者を通さずに、親戚や個人同士の販売を含みます。

米の価格の下落が進むと、大規模生産農家や集団も経営が苦しくなり、結果的に悪循環に陥ります。

  

今回の新農業政策は、このような観点からも、両刃の剣ではないかと思ってしまいます。

  

今日の朝のNHKラジオでは、こんなことを話されていました。

安全保障の観点から、少なくとも米は自給したい。

しかし、国が助成金をあまりに多く出しすぎると、国民からの反発を受ける。

多分、日本の米の価格は、アメリカの米の価格に近づくのではないか!

少し、あやふやですが、ラジオでは、8000円/60kgと言っていたようです?

中国の米はもっと安く、4元/kgとしても、600円/10kg、3600円/60kgです。

国内の生産コストは高いので、その分を国が助成しよう。

助成金の総額は約4000億円程度と試算されるので、

この程度であれば、国民から非難を受けなくてすむだろう。

  

多分に、そんなところに落ち着くのかもしれません。

  

国の政策には、小規模農家を増やそうという政策はあまりありません。

兼業でも農業をしたい方はたくさん居られます。

専業農家にならなくても、農地の貸借や売買が出来やすくするような制度があると、

新規に参入する方も増えてくるだろうと思います。

株式会社にも農地を解放しようとしていますが、これはあまりにも経済的な考え方に偏っているように思えます。

   

こんなことばかり書いて申し訳ありません。

読まれている方は、きっと退屈されたかもしれません。

   

最後に、米農家が努力してきていること。

気づいたことを書いてみます。

①出荷されている米の粒が大きくなっています。

 籾摺り後のふるいの網目が1.75mmから1.85mmに変わっています。

 玄米の粒の大きいものを出荷するようにしているからです。

 結果的に、精米後の粒も大きくなっています。

 お気づきでしょうか?

   

②減農薬・減化学肥料で栽培された米が増えてきています。

 収穫量を増やすよりも、品質を高めようとする努力をされています。

 もちろん堆肥も使っています。

   

③収量が減っても、食味の良い米の品種を作ろうとしています。

 おいしい米を作って、食べてもらおうとしています。

  

上記の①~③の対策を取ると、結果的に収穫量は減るのですが、何とか価格を維持したいということでもあります。

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2007年3月 1日 (木)

平成19年度からの農業政策について

晴れ

今日から3月ですが、昼は暖かい日でした。

でも、朝方は車に氷も張っていましたし、畑の気温も-2℃でした。

暖冬とは言っても、やはり、冬は冬です。

  

昨日の続きですが、

今年度(平成19年度)から、農業政策は大きく変わるようです。

これまで、減反を達成した個人には、その減反の田に、大豆や麦を植えると、国から補助金が出ていました。

補助金の額は、条件を満たすと、最大で10アール当たり7万円を超えるものでした。

   

減反とは、米を作ってはいけない田のことです。

当地では約40%です。

逆にすると、米を作れる田は60%というわけです。

もちろん減反未達成ですと、補助金はもらえません。

これは、過剰米による米の価格下落を防ごうとしたものと思います。

   

ところが、今年度からは、大規模に耕作する個人や農業集団に補助金を出す政策を始めるということです。

個人は4ヘクタール以上、農業集団は20ヘクタール以上の面積を指します。

もちろん、減反に協力する事が条件です。

たとえ、減反に協力していても、小さな個人には補助金はわずか(数千円)しか出ません。

(私は、この分類に入ります)

国は、このような農業政策を取り、稲作栽培の大規模化を促していこうということです。

  

そうなると、規模の小さい個人はどうするかということになります。

大規模に耕作している個人や農業集団(といっても、集落単位のものが主です)に入るか、

あるいは、補助金はいらないので、そのようなものに入らないかのどちらかの選択になると思います。

   

田植え機、コンバイン、乾燥機、トラクター(手入れが良ければ、20年以上もつそうです)など、色々な機械類を揃えています。

ひょっとすると、数年後には、集団化への補助金も減少するかもしれません。

大変悩ましい選択です。

  

一方、大規模化を進めた個人や農業集団の将来はどうなるのでしょうか?

米の価格は減少傾向にあります。

大規模化で収支トントンになっても、価格が下がれば、さらなる大規模化を進めなくてはなりません。

現在は、個人で4ヘクタールですが、将来は6ヘクタールや8ヘクタールに基準が変わるのではないか?ともささやかれています。

  

水田は、日本の原風景と言われていますが、それを守る為には経済的には厳しい現状があります。

   

また、大規模化では、大きな機械が入らない農地がたくさんあります。

現状では、そういった農地が耕作放棄地になっています。

大規模化でも、耕作放棄地が減少するわけがありません。

    

新規農業者が入るすき間がなくなっていくのではないかと思っています。

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2007年2月28日 (水)

米の価格と生産コスト

晴れ

  

先日、集落座談会があって、市役所と農協の担当者から、

平成19年度(今年度)からの農業政策と今後の対応について、詳しい説明がありました。

集落座談会とは、各集落単位の農家・役所・農協の寄り合いのようなものです。

  

この中で、米の価格と生産コストのことで、少し、驚いたことがありました。

といっても、多分、現状はそうだろうなあと思っていたのが、

現実的な数字を聞いて、改めて納得したという部分もありますが。

  

米の価格が毎年下がってきていることはわかっていました。

米の価格は、コメ価格センターの入札取引結果からの数字ですが、

例えば、玄米60kg当たりで、12月の価格は、

3年前(平成16年度)は、16,527円だったのが、2年前は16,066円、去年(平成18年度)は15,745円と毎年、下がってきています。

この価格は全国平均ですので、当地産の価格はもっと低いです。

   

去年は、不作だったにもかかわらず、下がっています。

通常、農産物の価格は、不作のときは上がるというのが相場ですが、逆の現象です。

多分、食生活が、お米を食べない方向にどんどん進んでいるのではないでしょうか?

15,000円以下は目の前で、この傾向が続くと12,000円以下になるかもしれません。

一方、生産コストはどうでしょうか。

以下は、当地の数字と思いますが、10アール(1反、1000㎡)当たりの数字です。

平成17年産では、粗収益は101,818円、生産費は160,856円です。

生産費の方が収益よりも大幅に高いのです。

つまり、大幅な赤字でお米を作っている状態です(-59,038円)。

  

労働費はいくらかというと、42,443円です。

粗収益から、この労働費を引いても、まだ赤字の状態です。

農機具費は34,687円ですので、これを全額削除して初めて黒字になります。

     

この赤字を解消するために、これまでは、耕作面積に関わりなく、個人に補助金が支払われてきました。

例えば、条件として、減反に協力するとか、大豆や麦を作るなどでした。

  

米の価格が下がるなかでは、赤字幅は拡大する一方です。

通常の経済感覚からすると、赤字になってまで、なぜ、作るのかという疑問が湧きます。

座談会でもこの話が出ていました。

ある人は自嘲気味に趣味と言っていましたし、またある人は先祖から受け継いだものだからと言っていました。

これを読まれた方はどのようにお考えでしょうか?

   

このような経済的な問題だけでなく、農家数の減少、高齢化などの問題もあって、

国は今年度(平成19年度)から、大規模に耕作する個人や農業集団に補助金を出す政策を始めるということです。

この事については、明日、書こうと思います。

     

NHKの番組、地域発!どうする日本「誰が支える!あなたの食卓~点検・農業改革~」 を見て、

以前(2月2日)に、書いた「NHKの農業政策番組を見て思ったこと」も良かったら見て下さい。

 

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2007年2月 2日 (金)

NHKの農業政策番組を見て思ったこと

雪 ときどき 晴れ

  

朝、起きると、雪が積もっていました。久しぶりの雪景色でした。

その後は、ボタン雪が降るものの、晴れ間もあり、雪はほとんど溶けました。

今日の夜は星がきれいなので、明日の朝は、きっと寒くなるでしょう。

  

このところ毎日書いている種苗店の記事の代わりに、

今日のNHK総合テレビで、夜7:30~8:45にあった番組の感想を書きます。

番組名は、地域発!どうする日本 「誰が支える?あなたの食卓」でした。

  

 以下は、NHKオンラインからの引用です。

地域発!どうする日本
 「誰が支える!あなたの食卓~点検・農業改革~」
午後7:30~8:45

 我々日本人の「食」を支える農業。その農業が今、岐路に立っている。

農業従事者の超高齢化、激増する耕作放棄地、先進国最低の食料自給率、

押し寄せる大量の外国産農作物。こうした局面を打開するため、

国が始めた「農政改革」。

 目指すのは、土地を集約化し競争力のある大規模農家を育てること。

長い間一律に配布してきた補助金を本格的に見直し、条件を整えられた=

やる気と力のある農家にだけ与えるなど、戦後初の農家へのリストラが

始まった。番組では「戦後最大の改革」と銘打った政府の農政改革が、

全国の農家にどんな波紋を起こしているのか、その現場を追う。

各地で模索される、さまざまな取り組みを軸に、日本の農業が進むべき道を

考える。

  

内容ですが、

まず、国の農業政策(略して、農政と呼ばれることが多いです。ひょっとすると、農業政治の略かも・・・・・)として、

WTOによる農業自由化の波から、日本の農業を守るために、米・麦・大豆の大規模化を図ろう。

大規模化のために、個人または共同集落営農法人を立ち上げること。

そして、これまで個人個人に渡してきた補助金を、これらの大規模営農をする個人や法人に渡そうとするものです。

  

この国の政策に対する矛盾点などが取り上げられていました。

その矛盾点としては、

・農業機械の償却が終わっていない、個人個人のこだわりの米作りができないなど、そもそも共同で米作りすることが難しいという話。

・大規模化を図ってきた米専業農家と共同組織が農地の取り合いをしているという話。

・もともと大規模化できにくい中山間地ではこの政策は難しいという話。

・この政策自体が農業=お金という経済的価値だけで練られており、農業=生活という視点が抜けているという話。

などが、映像と共に取り上げてありました。

  

なるほど、それぞれもっともなことですが、番組で抜けていることがいくつかありました。

  

一つは、米作りなどの農業は、兼業で新規に参入しようにも、法律上、できない仕組みになっていることです。

このことは、出演されていた大桃美代子さんが最後に少し話されていました。

現在、農業をしている人の2人に1人は65歳以上と言われています。

なぜ、このようになったのでしょうか?

農作業は重労働できつい、経済的に儲からないこともありますが、法律上においても(農地法)、新規参入が非常に難しいのです。

当地では、5反(5000㎡)以上の耕作をしないと農家にはなれません。農地を所有することも、借りることもできません。

私は、購入と借り入れを含めて、6反程度の農地を耕作することで、県と農業委員会に認められました。

もちろん、農業収入だけでは生活はできません。

でも、農家以外の会社勤めの方が1反でも2反でも耕作できるような農地政策を、国がとってくれると、新規参入者は多分ずっと多くなります。

何も専業農家を増やす必要はありません。兼業農家を増やせば良いのです。

農業を始めたいという方はたくさんおられます。

国は、そういう方々を取り込む政策、即ち、農地法の改正を進めてもらいたいと思っています。

  

二つめは、共同で稲作などをする共同組織になってしまうと、自分の田が自分の田でなくなってしまうことです。

国は、戦後の農地解放で自作農を増やしました。この政策は、何だか、その逆のような気がします。

私が出席した座談会でも、このような意見がありました。

  

三つめは、農家の子供でも、米作りがわからなくなる、知らなくなる点が心配です。

小さいときから、田植えと稲刈りだけは手伝ってきた子供がいなくなりそうです。

もの心ついた時から、10年以上も手伝っていると、細かいことは分からなくても、何となく、米作りとはこういう風にするのだなあと、刻み込まれると思います。

たとえ、そのことが嫌いであっても・・・・・・。

その体験が重要と思います。

その広い裾野があって、専業農家も生まれるのではないかと思っています。

   

昔は農耕牛や馬が、各農家にそれぞれ1頭以上いました。

それがなくなった今、牛、豚、ニワトリを専業にしている農家の数は多分減っていると思います。

裾野がなくなってきたからです。

  

私のように、新規就農しようにも、できない方々がたくさんいます。

今日の番組での大規模化農業への農業政策の移行は、そうした方々をますます遠ざけそうです。

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