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2009年11月 7日 (土)

農作業と収穫・調整・納品作業のバランスについて(その1)-(ふ)さんのコメントについて

晴れ

  

(ふ)さんのコメントに対する答えはちょっと長くなるかもしれないので、

ブログの本文に書きました。

  

(ふ)さんのコメントを以下に転送しました。

いつも参考にさせて頂いています。新規就農して3年目です。
マコトさんは、いろいろ作られていますが、販売はどうされていますか?私は直売所と農協への出荷の2系統なのですが、調整作業や納品等に時間がとられて、どうしても農作業が後手になります。家族も手伝ってはくれていますが、どうもうまくいきません。どうバランスとられていますか?

  

このコメントへの返事は難しいです。

私も悩んでいます。

良い野菜を多品種で多量に作ろうとすると、収穫や調整や納品がおろそかになります。

逆も同様です。

家庭菜園で野菜を作られている方はちょっと理解できないかもしれませんが、

実は、栽培にかかる時間よりも、収穫・調整・納品の時間の方が多いかもしれません。

作るだけでなく、売って初めてお金になるので、後者は大切です。

 

(例えば、スーパーで、パック詰めで売られているイチゴはだれがパック詰めをしているでしょうか?

実は、スーパーではなく、生産者自身または農協の選果場です。)

   

参考までに、8月のある日の作業時間は次の通りです。

朝、5時前に畑に行き、ゴーヤ、オクラを収穫する。

6時頃に自宅に帰り、妻と共に、袋詰めをする。

7時頃、妻は前日収穫・調整した野菜もいっしょに、直売所やスーパーの産直コーナーに持って行き、並べる。

私は、畑に戻り、ピーマンやトマトなどを収穫する。

9時すぎに、収穫した野菜を自宅に持って帰り、朝ごはんを食べる。

10時頃~12頃まで、畑に行き、農作業。

その後、昼食をとり、昼寝。

16時頃~19時頃まで農作業。

その後、夕食の後、21時か22時頃まで、2時間程度、袋詰め作業。

  

典型的な1日ですが、

農作業は5時間程度、収穫・袋詰めなどの作業は5時間程度です。

この時期、私みたいな野菜農家は「夜なべ」をみんなしていると思います。

もっと忙しい人もかなりいらっしゃると思います。

一般的には、農業は自由時間が多いと言われていますが、

多品種の野菜を作って、直売所やスーパー内の産直コーナーで売っている私には、そう思えません。

おいしい野菜を多品目で多量に作るには、結局、作業効率を高めるとか人手に頼るしかないと思います。

稲作などは機械化によって作業効率を高めました。

ある程度の規模まで、兼業でも可能です。

大豆、麦などの穀類やジャガイモ、さつまいもなどのイモ類も機械化が進んでいます。

それに対して、夏の果菜類は機械化しにくいところがあります。

  

それで、どうするかが問題なのですが、

単一作物栽培 or 多品種栽培のどちらをとるかだろうと思います。

普通、農家を、○○農家と呼ぶことが多いです。

例えば、米・麦農家、キュウリ農家、イチゴ農家、みかん農家などです。

多品種栽培は、この枠組みに入らないです。

  

単一作物の場合、忙しいときは、目が廻るほど忙しいのですが、その時期が終われば一息つきます。

多品種栽培の場合、いつも忙しくしています。

一年中、収穫して、出荷していますので。

それで、農作業と出荷・調整のバランスが難しいと思っています。

   

結局、私は、

①野菜の種類を減らしました。

 以前は、年間、40~50種類作っていましたが、

 現在では、年間、20種類程度です。

 

②毎日収穫しないといけない野菜とそうでない野菜を組み合わせています。

 キュウリやトマトは毎日、収穫しないといけません。

 ナスやピーマンは2,3日おきでも大丈夫です。

 かぼちゃなんかもそうです。

 ジャガイモは一斉収穫が可能です。

 

③できるだけ、草取り作業をしなくて済むようにしています。

 除草剤や土壌燻蒸剤を使って、除草をするつもりは全くありません。

 その代わりに、マルチやシートを敷いて、草取りをしないですむようにしています。

 (もし、マルチを使わない場合は、草取りに追われてしまいます。)

 化成肥料の代わりに、牛ふん堆肥、鶏ふんなどの有機質肥料を使っていますので、

 どうしても、草の種が混ざっています。

 どうしようもない現実なのですが、マルチなどの多用で、草取りの作業はかなり低減しています。

 その他に、キャベツやジャガイモの土寄せを適期に行うと、草の伸びを抑えられます。

 

④天気予報を見ながら、適期に、畝立てや収穫を行うようにしています。

 雨が降ると、耕せません。

 畝さえ立てておけば、雨が降っても大丈夫です。

 それで、畑の乾き具合を見ながら、天気と相談して、2,3日で、

 堆肥や肥料を撒いて、耕して、畝を立てています。

 堆肥は撒いてもらうこともありますが、

 大体は軽トラックでもらい、自分で、スコップで蒔いています。

 堆肥を撒く場合、大型機械になるので、小面積では難しい場合が多いです。

 鶏ふんなどを撒く機械も検討しましたが、大きいので、今は断念しています。

 化成肥料は粒状なので、10万円程度のトラクターに付けて撒く機械もあり、

 場合によっては、1日で畝を立てることもできます。

 私の場合は、難しいです。

 

 来週の火曜日(11月10日)から雨が降るとの予報が出ています。

 それで、月曜日に、機械を借りて、ジャガイモを掘ることにしています。

 ここ数日は、晴れの日が続いているので、土が乾いています。

 今日、ジャガイモの茎葉を除去しました。

  

⑤段取りが良くなりました。

 種や苗、それにマルチなどの農業資材を、事前に用意できるようになりました。

 実際にしようと思って、あれがない、これがないということが少なくなりました。

 農作業に必要なものは、ハウスの一部を倉庫にしていますので、

 そこに置いています。

  

⑥妻に、出荷をしてもらうようにしました。

 その間、私は、収穫や農作業ができます。

 大変助かっています。

 今は、重い大根の出荷もしていますが、苦労をかけています。

  

以上、思いつくままに、私なりの農作業の軽減方法を書いてみました。

(もれている方法もあるかもしれませんが、良かったら、過去のブログの記事を見て下さい。)

このようにやっていても、けっして完璧ではありません。

いつも、後から、ああしておけばよかったと思っています。

今年は、ズッキーニができすぎて、手がかかりすぎました。

それで、インゲンは何回しか収穫していません。

ほったらかしになってしまいました。

  

それから、農作業が遅れたとか、後手後手になったとかは、よく考えてみると、

過剰に計画していたのかもしれません。

こればっかりは、やってみて、経験しないとどうしようもないと思います。

できなければ、どうやったらできるようになるのかを考えればいいだけです。

人に聞いたり、本を読んだりするのもいいかもしれません。

失敗しないと、次がないと思っています。

失敗はいいことかもしれません。

  

それからもう一つ、遅れたり、どうしようもなくなった場合は、

きっぱりと、どれかをやめるという手もあります。

だらだらと収穫しないで、終わらせてしまうということもあるかと思います。

あまりにだらだらと書いたかもしれませんが、

参考になりましたでしょうか?

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コメント

(ふ)さんへ
  
カラス避けは、例えばスイカ畑のまわりと上部に、釣り糸を張るといいですよ。
なぜか分かりませんが、畑に侵入できません。
試してみてはいかがですか?

投稿: マコト | 2009年11月 9日 (月) 21時17分

マコト様
早速の回答ありがとうございました。やはり、忙しい時は早朝から夜遅くまで頑張っておられるのですね。又、いろいろ考えてやっておられるので参考になりました。
早朝から袋詰めや農作業に追われて出荷したのに、直売所では1袋が¥100程度で、しかも売れ残りがでたりすると、ものすごい徒労感を感じたり、苦労した野菜をカラス等に食害されるとガックリしたりで、他の農家の人はいったいどうやっているのだろう?といつも感じています。私の周りは兼業の米農家が中心で、野菜の量産農家が身近にないので、マコトさんのアドバイスはとてもありがたいです。
私としては、これまでの実績をもとに1シーズン数種の野菜にしぼりこもうと考えています。またいろいろ教えて下さい。

投稿: (ふ) | 2009年11月 9日 (月) 02時00分

坂上さまへ
  
以前は、使いまわしていました。
0.03mmの厚さのマルチを購入して(通常マルチは0.02mm)、
カボチャ→ピーマン・ナスなど→スイートコーン・枝豆などの順に使っていました。
ところが、厚いのに、ところどころ破れ、そのすき間から草が生えて、大変だったことがあります。
草だけの方が、よっぽどマシと思いました。
そんなことがあって、今は、ほとんど捨てています。
農協の回収に出しています(有料ですが)。
  
ハウスの春菊は穴あきマルチを使っています。
以前は、そんなマルチは使わなかったのですが、
草取りで、1日に1,2時間して、延べ20日以上かかって草を取ったことがあります。
何をしているのかわからなくなりました。
小面積なら草取りも可能なのですが、少し広くなると、草に負けてしまいます。
  
マルチの素材はポリエチレンですので、塩素はほとんど入っていないと思います。
焼いても、ダイオキシンは発生しにくいと思います。
だから、そんなに悪い素材でもありません。
  
価格のことですが、費用対効果を考える必要があると思います。
人件費など色んなことを考えると、新たに購入した方が安上がりかもしれません。
  
何でもそうですが、絶対こちらの方がいいということはないと思っています。
ほどほどがいいのかもしれません。
できるだけ農薬を少なくし、化成肥料は使わないようにしていますが、できる範囲でするというふうにと思っています。
負担があまりに重くならないようにとも思っています。
  
それから、光分解性マルチのことですが、
そのまま使いました。
片付けるとき、まだ、あまり分解されていませんでした。
来年は、かぼちゃなどには、生分解性マルチを使ってみたいと思っています。

投稿: マコト | 2009年11月 8日 (日) 20時09分

とても参考になります

ところで質問なのですが
マコトさんはマルチを相当量使われてますが
それらは1シーズンで使い捨てるのですか?

私は貧乏性なのでマルチは数年使いまわし
ツギハギしながらボロボロになるまで使い倒します
けっこうばかにならない値段ですよね、マルチ

あと以前紹介されていた光分解性マルチ
その後どうなったかよかったら教えてください

投稿: 坂上 | 2009年11月 8日 (日) 00時32分

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