« この時期、キャベツは3日で発芽しました。 | トップページ | 毎春秋、堆肥を撒いています。 »

2008年9月 5日 (金)

8月末まで、トマトが収穫できた理由を考えてみました。

晴れ のち 雨 (晴れ間が続きません。夏野菜の片付けが進みません。)

   

トマトはもう10年以上作っているのですが、毎年、8月に入ると急速に枯れてきて終わっていました。

ところが、今年は、8月末まで、トマトを収穫できました。

1週間前までは、30~40袋を出していました(10号の防曇袋で、3~6個入り)。

8月末まで、トマトを出荷できたのは、初めてでした。

私の周りでは、だれもいませんでした。

こんなことは初めてで、どうしてだろうか?と考えているのですが、

これだ!!という明確な要因は、わかりません。

だれかが言っていたのですが、

「できなかった原因は自分ではよくわかるのだが、うまくいった原因はなかなか分からない。」そうです。

少しだけ、これかもしれないという要因を考えてみました。

   

(1)苗

品種は、ホーム桃太郎主体から桃太郎8に変更しました。

去年までは接木を使っていませんでしたが、今年は接木苗を使いました。

去年は青枯れ病が1/3くらいに発生したので、接木苗に変えました。

今年は、約500株中、4,5株が枯れただけでした。

もし、青枯れ病だと伝染して次々に枯れていくので、他の何らかの原因で枯れたと思っています。

  

苗自身は4月10日に定植する予定でした。

ところが、同じビニールハウスにスナックえんどうを作っていて、その収穫が5月の連休過ぎまで続いてしまいました。

その後、スナックえんどうを片付けて、堆肥や肥料を撒いて、畝を立てるのに10日ほどかかってしまいました。

結局、定植は5月25~27日になってしまいました。

  

苗は、ひょうひょろ苗になってしまいました。

ホームセンターで売れ残っているような苗でした。

今から思うと、よくもあんな苗を植えたなあと反省しています。

でも、1株150円くらいで、500株もあるので、少しでも収穫しないと、大変な損害になってしまいます。

少しでもいいから、トマトを収穫したいと思って、定植しました。

ですから、8月末まで収穫できた原因がトマトの苗とは到底思えません。

  

ただ、数ある桃太郎の品種群の中で、桃太郎8という品種が夏季の栽培に少しだけも対応できる品種であったことと、

接木苗のために根が張れて、夏の暑さにも少しは耐えれたことは考えられます。

   

(2)天候

気象庁の発表をもとにして、梅雨入り時期と梅雨明け日を、今年を最近の10年間と比べてみました。(気象庁では、○○日ころと発表していますが、ここではその「ころ」を省きます。)

梅雨入りについては、

ここ10年間で最も早い日は5月26日で、遅い日は6月13日でした。平均は6月3日でした。

今年は5月28日で、ここ10年間では早いほうでした。

  

梅雨明けについては、

ここ10年間で最も早い日は7月6日で、遅い日は7月31日でした。平均は7月19日でした。

今年はその最も早い7月6日で、ここ10年間では最も早かったです。

その次に早い年は2004年で、7月11日でしたので、5日も早く梅雨明けしたことになります。

   

トマトの定植は、5月25日~27日に行っています。

ということは、梅雨入り直前に定植したことになります。

前にも書きましたが、定植した苗はいわゆる「ひょろひょろ苗」でした。

1番花も2番花も散っていて(小さな玉になっているものもありました)、こんな苗を植えても、良いトマトはできないだろうと思っていました。

ですから、定植後もしばらくは大きくなりませんでした。

7月6日の梅雨明け時はまだ4番花や5番花がやっと咲いている状況でした。

背丈は1mを越えていましたが、茎も直径2cm以下で、いつもよりも細い状態でした。

葉もそんなに茂っていませんでした。

今から考えると、梅雨時には、茂っていない状態で、風通しが良くて、病気になりませんでした。

結果的に、いつもよりもかなり早い梅雨明けであったために、病気にならなくて済んだと思います。

これが、トマトの木が長く生きた原因かもしれません。

ちなみに、いつもは6月の梅雨時に病気が発生し、殺菌剤を散布していました。

今年は、殺菌剤を一度も散布していません。

  

梅雨明け後は、いつものように高温になり、雨の日も少ない日々でした。

真夏のときには、畝の上に敷いていたチューブから、2日に1度は水を与えました。

一般的には、灌水は控えるのですが、梅雨明け後はたっぷりと水を与えました。

そうしないと、味がどうのこうのと言う前に、トマトが枯れてしまいます。

  

ハウスの中ですので、最高気温は連日35℃以上で、40℃を超えていました。

ところが、最低気温は20~27℃で、平均でも23、24℃くらいでした。

(温度は、ハウスの中の最高最低温度計での実測値です。)

最高気温は高かったのですが、以外にも、最低気温は思ったよりも低かったです。

これも、トマトの木が長生きできた理由かもしれません。

でも、この要因だけですと、毎年、8月はずっと収穫できることになります。

実際は、枯れていましたので、これだけが要因ではありません。

     

(3)害虫対策

雨よけビニールハウスに張っているビニールは、去年から、紫外線カットのフィルムを使っています。

これで、昆虫がハウスの中で、繁殖しにくい状況にはなっています。

(昆虫は紫外線を見ることができますが、その紫外線がカットされて入ってこないと、暗闇の状態になると思われます。)

側面と褄側上部には、2×4mmのサンサンネットを張っています。

オオタバコガなどの実を食い荒らす大きい害虫は、ハウスの中に、ほとんど入ってきません。

  

理論的にはそうなのですが、

でも、実際には、反対側のハウスの入り口付近からタバコガの侵食に合いました。

初めは、手で幼虫をつまみ、踏みつけていたのですが、だんだん追いつかなくなり、

結果的には殺虫剤を1回だけ散布しました。

その後は、一度もタバコガ類の食害を受けませんでした。

   

黄色の粘着テープ(幅約10cm×長さ25cmくらい)も、全部で10枚ほど、吊るしました。

これは、小さなコナジラミなどを捕獲するために設置しました。

かなりの数が付いていたのですが、全部が捕獲されたわけではないと思います。

たとえコナジラミがいたとしても、トマトの成長に影響するほどではありませんでした。

   

(4)栽培方法

①誘引方法

今年は、そのまま垂直にしました。

いつも50~70cmくらいまで垂直に誘引し、その後、斜め誘引をしています。

160cmくらいになったところに、麻ひもを張り(180cmの支柱の一番上付近)、横に伸ばしました。

その後は、トマトの木が垂れ下がった状態になりました。

枝が細いので、トマトの木は折れませんでした。

垂れ下がった状態で実が大きくなったものもありました。

  

初めから斜め誘引をすると、トマトにストレスがかかる上に、下葉を除去できません。

(斜め誘引のメリットは段数をかせげることですが)

そのため、風通しが悪くなり、病気が出やすくなります。

かつて斜め誘引をして、病気が多発したことがありました。

そういうことから、初めからの斜め誘引はしていません。

  

②整枝方法

いつものように、わき芽は全て除去しました。

下から30cm以下の葉っぱも全て除去しました。

いつもと違うのは、最上部まで延びた頃以降は、放任にしました。

そうすることによって、トマトの実を直射日光から守れるそうです。

これは、Iさんから教えてもらいました。

    

③マルチ・敷きわら

3畝のうち、シルバーマルチを1畝(南側)、黒マルチを2畝、それぞれ張りました。

結果では、どのマルチも収穫はあまり変わりませんでした。

今年は、畝溝に、多量の敷きわらを敷きました。

畝の高さは20cmくらいあるのですが、その畝の肩が隠れる程度に、厚く敷きました。

畝溝に何も敷かないと、毎日の収穫と剪定で、土を踏みしめて硬くなってしまいます。

敷きわらを敷くことによって、多分、畝溝まで根が十分に張れたと思います。

この敷きわらも、トマトの木が生き延びた原因かもしれません。

   

④寒冷紗

梅雨明けと同時に、ビニールハウスの上部に寒冷紗を張りました。

強烈な夏の日差しから、トマトを守る為です。

ところが、もらいものの寒冷紗でしたので、ハウス上部の全面に張ることができませんでした。

張れたのは、ほぼ半分だけでした。

何ともみっともないことでしたが。

少しだけかもしれませんが、これもトマトを長生きさせた理由かもしれません。

  

(5)まとめ

色んなことを考えましたが、

トマトが8月末まで、長生きできて、実が大きくなった理由は明確ではありません。

しいて挙げるならば、

①品種が桃太郎8で、接木苗を用いたこと。

②苗をいつもよりかなり遅い5月25日頃に植えたこと。

③梅雨明けが例年よりも早く、病気にならなかったこと。

④最低気温が以外にも低かったこと。

⑤敷きわらを多量に敷いたこと。

などが考えられます。

  

これらのことを守ると、来年も8月末まで収穫できるのかというと自信はありません。

気象条件が良かったのかもしれません。

でも、来年もやってみようとは思っています。

  

ただ、休みがなくなるのが一番の難点です。

毎日、収穫しないといけませんので、今年は、まる1日の休みが取れませんでした。

  

今回の記事は、大変長い文章になってしまいました。

いろいろ考えているうちに、結果的に、1週間もブログを更新しませんでした。

明日からはこまめに書きますので、ときどき、見て下さい。

|

« この時期、キャベツは3日で発芽しました。 | トップページ | 毎春秋、堆肥を撒いています。 »

農業」カテゴリの記事

農業技術」カテゴリの記事

気象」カテゴリの記事

」カテゴリの記事

トマト」カテゴリの記事

害虫・病気」カテゴリの記事

コメント

かえるさまへ
「チャダイゴケ」ということを初めて知りました。
アドレスをたどってみると、堆肥などで肥えている畑に生えるそうですね。
毎年、たくさんの堆肥を入れています。
土が肥えた証拠と思い、なんだかうれしくなってきます。
ありがとうございました。

投稿: マコト | 2008年9月 6日 (土) 22時40分

はじめまして。耕作日記さんブログ、菜園初心者にも分かりやすく、写真がきれいで折々拝見しています。今年初めて狭いベランダで堆肥や肥料を手作りして野菜作りに挑戦、惨敗!しながら来年はきっと!と勉強しています。
8月「ピーマンにきのこ?」で拝見していたのとそっくりなものが、数日前からベランダの鉢に現れました。上記アドレスURLに写真を載せました。
驚いて調べたところ「チャダイゴケ」なるものではないか、と思いコメント書かせていただきました。これからも拝見します

投稿: かえる | 2008年9月 6日 (土) 13時15分

昨日はお疲れ様でした。かんゆうしゃさんに乗っけてもらって帰っていたら。助手席で爆睡してしまいました。久しぶりに楽しい一日でした

投稿: しましま | 2008年9月 6日 (土) 05時55分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 8月末まで、トマトが収穫できた理由を考えてみました。:

« この時期、キャベツは3日で発芽しました。 | トップページ | 毎春秋、堆肥を撒いています。 »